2007年12月20日

違法化の盲点

 えっと。
 ダウンロード違法化が不可避になるようですねー。
 これについては、もう既に色々な意見が出まくっているので、後出しで何か言ってもしょうがないのですケド、ダウンロードが違法化されたらレンタル屋で借りる(つまり製品は買わない)なんてコメントがあちこちに残っているのを見たりすると、はるか昔にレンタル屋様のせいで製品が買われなくなるという議題があったときに、今と同じように経済的不利益は実証されてないトカ言ってたことを思い出したりするくらいですー。
 まー、そんなわけで、ちょっと別の視点から今回の話題を見てみたいと思いますー。
 といっても、もなみは法律の専門家ではありませんし、刑訴法については詳しくないですし、もなQは法律サイトではなくて電波サイトですので、間違っているカモ知れないということを先に断っておきますー。
 ちょっと検察官様になって考えてもらいたいのですケド、著作物が違法にアップロードされているという告訴があった場合、どうやって証拠を集めますかー?
 普通に考えれば、アップロードされた著作物をダウンロードして、確かに違法物であることを確認することになるでしょー。
 これは別に、もなみが勝手に思っていることではなくて、実際の裁判、たとえばWinny違法アップロード裁判(平成15(わ)2018)でも行われたことですー。
 京都府警察本部の捜査官は,同警察本部に設置されたパソコンにWinnyをダウンロードし,これを使用して,平成15年9月24日午後11時19分から同月25日午前零時25分ころまでの間に「X」を,同日午前1時47分ころから同日午前3時18分ころまでの間に「Y」を,それぞれ被告人のパソコンからダウンロードし,それらの各データが送信可能化されている状況を明らかにするための実況見分を行った。その際,被告人のパソコンからダウンロードした各ファイルを再生したところ,上記各映画を視聴することが可能であることが確認された。
 でも、ダウンロードが違法化された場合、このような方法で証拠を集めることはできなくなる可能性が高いのですよー。
 というのも、これは別に法令化されているわけではなく、憲法第31条(「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」)や刑訴法の解釈によって誕生した概念なのですケド、刑事裁判では、証拠の収集は、合法な手段によって行わなければならないという概念、「違法収集証拠排除法則」というのがあるからですー。
 つまり、ダウンロードが違法化した場合、不正アップロードの証拠集めのためにダウンロードすることができなくなるということなのですー。
 もちろん、この「違法収集証拠排除法則」というのは、100%認められているわけではなく、最高裁判例昭和51(あ)865)では、「重大な違法があり、これを証拠として許容することが、将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合」と、違法収集証拠が証拠とみなされないための制限を設けていますー。
 ですから、違法アップロードの証拠集めのためのダウンロードが、「軽度な違法」で、「将来における違法捜査を増長しない」と判断されれば、証拠として認められる可能性もあるのですー。
 ただ、刑事訴訟というのは、検察官様がまず間違いなく勝てるという自信がない限りは不起訴にするのが基本ですから、たとえ1%の可能性であっても、違法アップロードのダウンロードが証拠として認められない可能性があるなら、証拠不十分として不起訴にせざるをえないというのが現実なのですー。
 もっとも、「違法収集証拠排除法則」が適用されるのは、あくまで刑事訴訟だけで、民事訴訟の場合は、原則として証拠能力に制限がない、つまり民事で起訴されることの抑止にはならないですし、ダウンロードせずに違法アップロードされている証拠を集めるという、もなみにはどうすればいいのか判らないウルトラC的な技を使われた場合は意味がないということを書いておきますー。

 そんなわけで、もなQはダウンロード違法化を防ぎたいなら、感情論を訴えたり、経済的不利益は実証されてないトカ言うより、刑事捜査上に重大な影響を与えるという点を突くほうがいいと思いますケド、どうでしょうかー。

名無し様:違法でも交通違反のように罰金でカタつけちゃえばおっけ
名無したん:例外<それはない。それを認めたらWinny裁判との整合性が取れなくなる
うし様:うぅぅ。改行しちまった。売れないのは金と価値が無いから。
うし様:違法アップが取り締まれよないネット鎖国すれば
名無し様:多分操作に関しては例外になるよ。著作権に関しては例外規定作りまくりなのは常識
もなみ:コメントのほうで書きますねー。
名無し様:権利者の許諾があれば別、なんてこともありそうですぅ
名無したん:機会提供型ですらないので、特例はやろうと思えばできそうですぅ
名無し様:違法DLじゃなく違法ULを実証するためにDLを合法化だね
名無しん坊様:噛み砕いて言うと、警察が違法DLを実証する為にはDLを合法化・・・あれ?
もなみ:銃刀法や麻取法と比較して著作権法は重大性が低いので、特例を設けるのは難しいと思いますー。
名無し様:後、もなみさんが引用されている判例は引用部直前の「令状主義の精神を没却するような」を含めて基準と解する教科書が一般的?かと
名無したん:銃砲刀剣類所持等取締法27条の3、麻薬及び向精神薬取締法58条と同旨の条文を新設することで足りると判断されるのではないでしょうか?
名無したま:ネット上の事件で証拠集めのためという名目で警察官はダウンロードを特例として限定合法化すればいいだけのことじゃ
名無し様:いつぞやの家電なんたら法みたく、ほっといたら自滅しそうな法案のよーな気がする
名無し様:なるほど
名無し様:くるもなげと

posted by もなみ9歳 at 20:13| Comment(1) | TrackBack(0) | もな見
この記事へのコメント
>名無したん:機会提供型ですらないので、特例はやろうと思えばできそうですぅ
法律上、特例が認められたのは、銃刀法と麻取法だけで、この2つはどちらも死人が出るような重大犯罪なので、たかがと言ってはアレですケド、著作権法程度で特例を認めることは無いと思いますよー。

>名無し様:権利者の許諾があれば別、なんてこともありそうですぅ
これはありえませんー。
たとえば歌手Aの著作物のタイトルで不当にアップロードされているというので歌手Aに許諾を受けてダウンロードしてみたら、実は歌手Bの著作物だったという場合、違法DLになりますから、まったく意味がないのですー。
Posted by もなみ at 2007年12月23日 02:43
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